「この画面、もう少し分かりやすくしてほしい」と依頼したところ、数日後に届いた案は、思い描いていたものと違っていた。修正をお願いすると、今度は別の方向に変わってしまった。こうしたやり取りが3回、4回と続き、気づけば予定していた公開日が近づいている、という経験はないでしょうか。
デザインの専門家ではない立場でプロダクトの判断を担っていると、デザイナーへの依頼は難しく感じられます。何をどこまで伝えればよいのかが分からず、短い一言で依頼してしまう。あるいは反対に、色や配置まで細かく指定してしまい、デザイナーの力を活かせない。どちらの場合も、手戻りが増えます。
手戻りの多くは、デザイナーの力量の問題でも、依頼する側の感性の問題でもありません。依頼の時点で、渡すべき情報が渡っていないことが原因です。そして、渡すべき情報の大半は、デザインの知識がなくても用意できるものです。
本記事では、プロダクト開発でデザイナーに依頼するときに伝える5つのこと、依頼文の例、依頼したあとの進め方、そしてフィードバックの返し方を、少人数の体制でプロダクトの判断を担っている方に向けて解説します。
なぜデザイナーへの依頼は手戻りが増えるのか
手戻りが起こる依頼には、共通する3つの形があります。
1. 解決策の形で依頼している
「ボタンを大きくしてほしい」「この項目を上に移してほしい」といった依頼は、一見すると具体的で、伝わりやすく思えます。しかし、これは課題ではなく、依頼する側が考えた解決策です。
デザイナーは、言われたとおりにボタンを大きくします。ところが、本当の課題が「次に何をすればよいのかが利用者に伝わっていない」ことであれば、ボタンを大きくしても解決しないかもしれません。届いた案を見て「何か違う」と感じ、別の指示を出す。これが手戻りの始まりです。
2. 背景が依頼する側の頭の中にしかない
その画面を誰が、どのような場面で使うのか。なぜ今、この改善に取り組むのか。こうした背景は、顧客と日々話している立場にとっては当たり前の情報です。当たり前であるために、依頼には書かれません。
背景を知らないデザイナーは、一般的な利用者を想定して作ります。現場で片手にスマートフォンを持って入力する人のための画面と、事務所のパソコンで月に一度まとめて作業する人のための画面では、適した形はまったく異なります。
3. 「完成」の基準が決まっていない
どのような状態になれば、このデザインは目的を果たしたと言えるのか。これが決まっていないと、届いた案を評価する基準は、見た人の印象になります。印象は、その日の気分や、直前に見た他社のサービスによって変わります。
基準が印象であるかぎり、デザイナーは何を目指して直せばよいのかが分からず、修正は当て推量になります。
この3つに共通しているのは、依頼する側が持っている情報が、依頼の中に書かれていないという点です。次の章から、何を書けばよいのかを順に見ていきます。
依頼するのは「見た目」ではなく「課題の解き方」
5つの項目に入る前に、前提を1つ確認しておきます。プロダクト開発でデザイナーに依頼しているのは、画面を美しく整えることだけではありません。利用者が抱えている課題を、画面と操作の流れによってどう解くかを考えることです。
この前提に立つと、依頼する側の役割がはっきりします。
- 依頼する側が用意するもの:誰の、どのような課題を解きたいのか。守るべき条件は何か
- デザイナーが考えるもの:その課題を、どのような画面と流れで解くか
依頼する側が解き方まで決めてしまうと、デザイナーは指示どおりに形にするだけの役割になり、より良い解き方が提案される機会が失われます。反対に、課題が渡されないまま「いい感じに」と任せると、デザイナーは課題を想像するところから始めることになり、想像が外れれば手戻りになります。
役割の境目を、課題と解き方の間に置く。これが、以降の5つの項目の土台になります。
デザイナーに伝える5つのこと
依頼のときに伝える内容は、次の5つです。すべてを長い文章にする必要はなく、それぞれ2〜3行で十分です。

1. 誰が、どのような場面で使うのか
最初に伝えるのは、利用者と利用の場面です。
- どのような立場の人が使うのか(役職、業務の内容、ITへの慣れ)
- いつ、どこで、どの機器で使うのか
- どれくらいの頻度で使うのか(毎日か、月に1度か)
- その画面にたどり着く前に、何をしていたのか
頻度は特に見落とされやすい情報です。毎日使う画面であれば、慣れた人が速く操作できることが大切になります。月に1度しか使わない画面であれば、毎回迷わずに使えるよう、説明を手厚くする必要があります。
顧客へのインタビューの記録や、利用者像をまとめた資料があれば、あわせて渡します。資料がなくても、「先週訪問した顧客は、このように使っていた」という具体的な1社の話は、十分に役立つ情報です。
2. 何に困っていて、どうなれば解決したと言えるのか
次に、解きたい課題と、解決した状態を伝えます。ここが依頼の中心です。
- 利用者は今、何に困っているのか
- それが分かった根拠は何か(問い合わせの内容、顧客の発言、利用データ)
- どのような状態になれば、解決したと言えるのか
「分かりやすくしてほしい」という依頼は、この項目を使って言い換えられます。たとえば、「初めて使う人の多くが、入力の途中で手が止まり、サポートに問い合わせている。問い合わせなしで最後まで入力できる状態にしたい」という形です。
自分の頭に解決策が浮かんでいる場合は、「なぜそうしたいのか」を自分に問い直すと、課題の形に戻せます。「ボタンを大きくしたい」のは、なぜか。「次の操作に気づかずに離れてしまう人がいるから」。こちらが、デザイナーに渡すべき課題です。思いついた解決策は、捨てる必要はありません。「一案として、ボタンを目立たせることを考えた」と、案の1つとして添えれば、検討の材料になります。
3. 決まっていることと、決まっていないこと
3つめは、条件の整理です。デザイナーが自由に考えてよい範囲と、動かせない範囲を分けて伝えます。
- 決まっていること:開発の都合で変えられない部分、既存の画面とそろえる必要がある部分、法令や契約上、表示しなければならない項目
- 決まっていないこと:デザイナーに考えてほしい部分、提案を歓迎する部分
- 今回は扱わないこと:気になっているが、今回の範囲には含めない部分
動かせない条件があとから分かると、それまでの案が使えなくなります。「一覧に表示できる件数は、開発の都合で50件まで」といった条件は、最初に伝えておけば、その中で最良の形を考えてもらえます。
開発に関わる条件は、依頼の前にエンジニアに尋ねておくと確実です。可能であれば、依頼の場にエンジニアにも同席してもらうと、実現が難しい案に時間を使うことを避けられます。
4. どこまでを、どの粗さで、いつまでに
4つめは、成果物の範囲と仕上がりの程度、そして期限です。
- 対象の画面はどれか。関連する画面(エラーの表示、データが1件もない状態、スマートフォンでの表示)は含むか
- 最初に見たいのは、手書きに近い粗い案か、色や文言まで入った仕上がった案か
- 途中の確認と、最終の期限はいつか
仕上がりの程度が伝わっていないと、方向性を確かめたいだけの段階で、デザイナーが細部まで作り込んだ案を用意してしまうことがあります。その案の方向が違っていた場合、作り込みにかけた時間がすべて無駄になります。最初は粗い案で方向をそろえ、合意してから細部を作るという順序を、依頼の時点で共有しておきます。
5. 誰が、何を基準に決めるのか
最後は、決め方です。
- 最終的に案を採用すると決めるのは誰か
- 途中で意見を聞く相手は誰か(営業、サポート、エンジニア)
- 複数の案が出たとき、何を優先して選ぶのか
決める人が曖昧なまま進むと、案が出るたびに関係者それぞれが異なる意見を述べ、デザイナーはすべてに応えようとして、案がまとまらなくなります。意見は広く聞くとしても、決める人は1人に定め、その人が項目2の「解決した状態」に照らして判断する、と決めておきます。
優先順位も伝えておくと、デザイナーは判断に迷ったときの拠り所を持てます。「今回は、慣れた人の速さよりも、初めての人が迷わないことを優先する」といった一文で十分です。
依頼文の例:「分かりやすくしてほしい」を書き直す
5つの項目を使うと、依頼がどう変わるかを見てみます。見積書を作成する画面の改善を依頼する例です。
書き直す前の依頼
「見積書の作成画面が分かりにくいという声があるので、もう少し分かりやすくしてほしい。来週中にお願いしたい。」
書き直した依頼
| 項目 | 伝える内容 |
|---|---|
| 1. 誰が、どの場面で | 従業員10〜30名ほどの会社の営業担当者。商談のあと、事務所のパソコンで作成する。頻度は週に数回。契約から1か月以内の、使いはじめたばかりの人を主な対象とする |
| 2. 課題と、解決した状態 | 明細を入力する途中で手が止まる人が多い。直近1か月の問い合わせのうち、値引きの入れ方に関するものが目立つ。問い合わせをせずに、値引きを含む見積書を最後まで作れる状態にしたい |
| 3. 決まっていること・いないこと | 出力される見積書の書式は変えない。明細の項目は減らせない。入力の順序、説明の見せ方、値引きの入力方法は自由に考えてほしい。一覧画面は今回扱わない |
| 4. 範囲・粗さ・期限 | 対象は作成画面と、入力に誤りがあるときの表示。まず粗い案を2つほど、3日後に見たい。方向を決めたあと、翌週の金曜までに仕上げたい |
| 5. 決め方 | 決めるのは私。サポートの担当者にも途中で意見を聞く。慣れた人の入力の速さよりも、初めての人が迷わないことを優先する |
書き直した依頼は長くなりましたが、書くのにかかる時間は15分ほどです。手戻りが1回減れば、数日分の時間が戻ってきます。
項目2の「解決した状態」は、開発に渡すときの完成の条件とも重なります。デザインの依頼の時点で言葉にしておくと、あとの工程でもそのまま使えます。
依頼したあとの進め方:4つのステップ
依頼の内容が整っていても、文書を送っただけでは伝わりきりません。依頼したあとの進め方も、手戻りの量を左右します。
ステップ1:依頼を口頭でも説明する
依頼文を送ったあと、15〜30分ほど時間を取り、口頭で説明します。目的は、デザイナーからの質問を受けることです。「この利用者は、他の画面は使い慣れているのか」「この条件は、どうしても動かせないのか」といった質問は、依頼文に書き漏らしていた情報を教えてくれます。
質問が出ない場合は、「この依頼で、分かりにくいところや、判断に迷いそうなところはあるか」とこちらから尋ねます。
ステップ2:粗い案の段階で、方向を確かめる
最初の案は、色や細かな文言が入っていない、粗い状態で見ます。確かめるのは、次の点です。
- 項目2の課題を、解こうとしている案になっているか
- 利用者が操作する流れに、無理がないか
- 動かせない条件に、触れていないか
この段階では、色、文字の大きさ、言い回しといった細部には触れません。細部の話を始めると、方向の確認が後回しになります。複数の案が出ている場合は、それぞれの案が何を優先して作られたのかをデザイナーに尋ねると、選ぶ基準が明確になります。
ステップ3:仕上がった案を、利用の場面に沿って確かめる
方向が決まったら、細部まで作られた案を確かめます。このとき、画面を1枚の絵として眺めるのではなく、利用者になったつもりで、最初から最後まで順に操作をたどります。
可能であれば、項目1で想定した利用者に近い人に、案を見てもらいます。社内のサポートの担当者や、関係の良い顧客に5分ほど見てもらうだけでも、作り手が見落としていた点が見つかります。
ステップ4:決めたことと、その理由を残す
採用する案が決まったら、何を、なぜ選んだのかを短く記録します。採用しなかった案と、その理由も書き添えます。
数か月後に「なぜこの形になっているのか」という疑問が出たとき、記録があれば、同じ議論を繰り返さずに済みます。新しく加わったデザイナーやエンジニアにとっても、判断の経緯を知る手がかりになります。
フィードバックの返し方:4つの原則
届いた案への返し方も、依頼と同じくらい手戻りに影響します。デザインの専門家でなくても守れる、4つの原則を紹介します。
原則1:好みではなく、目的に照らして伝える
「なんとなく違う」「もっと洗練された感じに」という感想は、デザイナーにとって直しようがありません。依頼の項目2で定めた「解決した状態」に照らして伝えます。
- 伝わりにくい例:「全体的に、もう少しすっきりさせてほしい」
- 伝わりやすい例:「初めての人は、値引きの入力欄に気づかないのではないか。他の項目と同じ強さで並んでいるため」
違和感をうまく言葉にできないときは、無理に言い換えず、「どこが気になるのかを自分でも整理できていない。この部分を見たときに引っかかった」と、そのまま伝えます。デザイナーは、引っかかりの場所から原因を探る訓練を受けています。
原則2:直し方ではなく、気になった点を伝える
「この文字を赤にしてほしい」と直し方を指定すると、依頼のときと同じ問題が起こります。伝えるのは、「この注意書きが、読まれずに見過ごされそうだと感じた」という、気になった点です。赤にするのか、位置を変えるのか、文言を変えるのかは、デザイナーが全体との釣り合いを見て判断します。
原則3:必ず直したい点と、任せる点を分ける
気になった点をすべて同じ重さで伝えると、デザイナーはどれを優先すべきか判断できません。次の3つに分けて伝えます。
- 必ず直したい点(目的が果たせなくなる、動かせない条件に触れている)
- できれば検討してほしい点
- 感想として伝えるだけで、判断は任せる点
あわせて、良いと感じた点も具体的に伝えます。良い点が伝わっていないと、修正の過程で、その部分まで変わってしまうことがあります。
原則4:意見を1つにまとめてから渡す
営業、サポート、エンジニアからそれぞれ意見が出る場合は、ばらばらにデザイナーへ届けず、決める立場の人がまとめてから渡します。互いに矛盾する意見は、どちらを採るかを決めたうえで伝えます。矛盾の解消をデザイナーに委ねると、全員の意見を少しずつ取り入れた、焦点のぼやけた案になりがちです。
よくある失敗
- 参考にしたいサービスの画面だけを渡す:「このサービスのようにしてほしい」という依頼は、どの点を良いと感じたのかが伝わりません。参考を示すときは、「入力の途中で、残りの手順が見えている点が良い」のように、理由を添えます。
- 依頼したあと、仕上がるまで見ない:完成してから初めて見ると、方向が違っていたときの損失が最も大きくなります。粗い段階で一度見る機会を、依頼の時点で決めておきます。
- 途中で課題そのものを変える:案を見ているうちに別の課題が気になり、依頼の内容が変わっていくことがあります。新しい課題は、今回の範囲に含めるかどうかを明示して決め、含めない場合は次の依頼として分けます。
- 顧客の声を、そのまま依頼にする:「顧客からこの項目を追加してほしいと言われた」をそのまま渡すと、顧客が考えた解決策を形にすることになります。顧客がなぜそれを求めたのかを確かめてから、課題として渡します。
- 例外の状態を伝え忘れる:データが1件もないとき、文字数が極端に多いとき、通信に失敗したときの表示は、依頼から漏れやすい部分です。開発の段階で発覚すると、エンジニアがその場で判断して作ることになり、画面の統一が崩れます。
具体例:予約の管理画面を見直したケース
従業員9名、店舗向けの予約管理サービスを提供するスタートアップを想定した例です。プロダクトの判断は経営者が担い、エンジニア3名、業務委託のデザイナー1名(週3日の稼働)という体制でした。
サポートに「予約の変更方法が分からない」という問い合わせが続いていたため、経営者はデザイナーに「予約の変更を、もっと分かりやすくしてほしい」と依頼しました。1週間後に届いた案は、変更ボタンを大きく目立たせたものでした。しかし、経営者が顧客の店舗で見た様子を思い返すと、困っていたのはボタンの場所ではなかったように感じられました。修正を2回重ねましたが、どの案にも納得できず、3週間が過ぎました。
そこで、依頼を5つの項目で書き直すことにしました。書きはじめてすぐ、項目1で手が止まりました。変更の操作をしているのは店長ではなく、接客の合間に電話を受けるスタッフであり、電話口で顧客を待たせながら操作しているという場面を、デザイナーには伝えていなかったのです。項目2についても、問い合わせの記録を読み返すと、困りごとは「変更ボタンが見つからない」ではなく、「変更後の日時に空きがあるかを、別の画面に移らないと確かめられない」ことだと分かりました。
書き直した依頼をもとに、デザイナーと30分話しました。デザイナーからは「電話を受けながら操作するのであれば、片手で操作できることも条件になるのではないか」という指摘がありました。3日後に届いた粗い案は2つで、どちらも、変更の画面の中で空き状況を確かめられるものでした。経営者はサポートの担当者にも見せたうえで、操作の手数が少ない案を選び、その理由を記録しました。
仕上がった案は、付き合いの長い店舗のスタッフにも5分ほど見てもらい、文言を1か所だけ直して開発に渡しました。書き直した依頼から開発に渡すまでにかかったのは、10日ほどでした。
よくある質問(FAQ)
Q1. デザインの知識がありません。それでも良い依頼はできるでしょうか。
できます。5つの項目は、いずれも利用者と事業に関する情報であり、デザインの知識を必要としません。むしろ、利用者の状況を最もよく知っている立場だからこそ、渡せる情報です。デザインの用語を無理に使う必要もありません。
Q2. 依頼を書く時間が取れません。最低限、何を伝えればよいでしょうか。
項目2の「何に困っていて、どうなれば解決したと言えるのか」を優先してください。課題と目指す状態が伝わっていれば、他の項目はデザイナーからの質問で補えます。口頭で伝える場合も、この項目だけは文字にして残しておくことをおすすめします。
Q3. 具体的な解決策を思いついている場合、伝えないほうがよいのでしょうか。
伝えて構いません。大切なのは、指示としてではなく、一案として伝えることです。「このような形を思いついたが、他にも方法があれば提案してほしい」と添えれば、デザイナーはその案の意図をくみ取ったうえで、別の解き方も検討できます。
Q4. 業務委託のデザイナーで、稼働日が限られています。進め方で気をつけることはあるでしょうか。
稼働日が限られている場合は、確認の待ち時間が手戻り以上に日程へ響きます。依頼の時点で、粗い案を見る日と、返事をする期限を決めておきます。こちらの返事が遅れると、デザイナーの次の稼働日まで作業が止まるため、案が届いたら当日か翌日に返すことを心がけます。
Q5. デザイナーの提案が、自分の考えと違うときはどうすればよいでしょうか。
まず、その案が何を優先して作られたのかを尋ねます。利用者の課題の捉え方が違っている場合は、依頼で渡した情報が足りなかった可能性があるため、情報を補います。捉え方は同じで、解き方の好みが違うだけの場合は、項目5で定めた優先順位に照らして判断します。どちらとも言えないときは、利用者に近い人に両方の案を見てもらうと、判断の材料が得られます。
まとめ
デザイナーへの依頼で手戻りが増える原因は、解決策の形で依頼していること、背景が依頼する側の頭の中にしかないこと、完成の基準が決まっていないことの3つにまとめられます。いずれも、依頼する側が持っている情報が、依頼の中に書かれていないことから生じます。
依頼のときは、(1)誰が、どのような場面で使うのか、(2)何に困っていて、どうなれば解決したと言えるのか、(3)決まっていることと、決まっていないこと、(4)どこまでを、どの粗さで、いつまでに、(5)誰が、何を基準に決めるのか、の5つを伝えます。依頼したあとは、口頭でも説明し、粗い案の段階で方向を確かめ、仕上がった案を利用の場面に沿って確かめたうえで、決めた理由を残します。フィードバックは、好みではなく目的に照らし、直し方ではなく気になった点を伝えます。
まずは、次にデザイナーへ依頼するとき、「どうしてほしいか」を書く前に、「利用者は何に困っているのか」を1行書いてみてください。その1行があるだけで、届く案は変わります。
プロダクトマネジメントについてお気軽にご相談ください
プロダクトマネジメントの顧問支援や、1人目のPdM採用・育成のサポートを承っています。
「経営者が兼務してきたが、そろそろ限界かもしれない」という段階からでもお気軽にご連絡ください。
おおむね2営業日以内にご返信します。
